Ｔ５７　Ａｔaｌａｎｔe

アタラントと呼ばれる車体はＴ５７（Ｃ）、Ｔ５７Ｓ（ＳＣ）に架装された２座のクーペです。

　　Ｔ５７の専門書に付属するシャーシーナンバーのレジスタを見ると５５台程が製造された様ですがその殆どはＴ５７のシャーシーに

　架装されています。ショートホイールベースで車高の低いＴ５７Ｓのシャーシーに架装されたのはごく僅かですが、ミニカーの世界で

　はＴ５７Ｓのシャーシーのものが殆どです。理由ははっきりしています。低車高のＴ５７Ｓの方がよりエレガントで格好がよいからです。

　　アタラントにはＴ５７（Ｃ）、Ｔ５７Ｓ（ＳＣ）のシャーシーの違いのほかクーペボディ、その屋根をくり抜いたオープンボディなどがあり

　ます。

　SOLIDO (仏）Ｎo..88 579
1／４３　メタルダイキャスト

　　私の手元にあるだけでもクーペ
　ボディ、オープンボディ、そしてそれ
　ぞれに色違いがあって１０数種類
　のバリエーションがあります。

　　実車をもとに塗り分けられたもの
　やメーカの創造で塗り分けたもの
　が混在していますが、実車の台数
　が多く再塗装されたクルマもあるこ
　とからその検証は難しいです。

　　ＳＯＬＩＤＯの作風はかっちりした
　車体でもう少し丸みがあっても良
　かったかも知れません。

　　アタラントのミニカーを最も多く
　製造したのはＳＯＬＩＤＯです。

　　左の写真はクーペボディのミニ
　カー群です。白色がわりと珍しい
　かも？

　　プレスライン部分の塗分けはデ
　カールによって再現されています。

　　ＳＯＬＩＤＯのアタラントの特徴は車体本体部分と大きく張り
　出した前部のフェンダー部分を別成形にして２つのダイキャスト
　パーツを組合わせることによって、この複雑な車体を再現してい
　ることです。

　　ダイキャストは鋳型の関係で複雑な車体や丸みを帯びた車
　体は苦手なのでアタラントやアトランティークのミニカーでは各社
　とも同じ様な手法をとっています。

　SOLIDO (仏）Ｎo..88 579 オープン
1／４３　メタルダイキャスト

　　アタラントには幌付きのフルオープンボディはなく屋根の一部
　　をくり抜いたような形のオープンボディが存在します。

　SOLIDO (仏）　Ｎo..88 579

1／４３　メタルダイキャスト

　　特別のギフトケースに納められたオープンタイプのミニカー
　です。なんと言っても箱絵がすばらしいです。

　　外側は厚紙の箱で包まれていて、その中にキャンディの箱
　の様なブリキケースがありミニカーが入っています。そのどちら
　にも同じ箱絵が描かれています。

　　

　MINICHAMPS (独）　437 110220

　　　１／４３　レジン

　ミニカーとしては珍しいT57Cのシャーシーを使用した
　　アタラントです。メーカー表記もＴ５７Ｃとなっています。

　　　この赤と黒の車体はＦｒａｎｋｌｉｎ　Ｍｉｎｔもモデル化して
　　いますが、MINICHAMPSのモデルはＴ５７Ｃのためラジ
　　エターの形状が平面的です。

　　　ミニカーの対象となった実車の写真をよく見かけます。
　　この珍しい塗り分けの実車はかなり有名な車体なので
　　しょう。

　Ｆｒａｎｋｌｉｎ　Ｍｉｎｔ　（米）
　　１／２４　メタルダイキャスト

　　フル開閉の精密モデルです。メーカーの表記にはＴ５７
　ＳＣとありますので、Ｔ５７Ｓのシャーシーを使用してスーパ
　ーチャージャーを装備したモデルとなります。

　　アタラントのエレガントさが充分に伝わってくる決定版の
　ミニカーです。嬉しいことにカラーバリエーションが３種あり、
　それぞれ魅力的な色に塗り分けられています。

　　トランクを開けると内部にシリアルＮｏが刻印された金属の　　　プレートが貼り付けてあります。

　ステアリングと連動して前輪がステアします。ステアリングの
　回転運動を直線運動に変換して前輪の向きを変える方式
　は実車と同じですが作りが少し大ぶりすぎる気がします。

　Ｆｒａｎｋｌｉｎ　Ｍｉｎｔ　（米）
　　１／２４　メタルダイキャスト

　　黒と黄の美しいツートンです。左の写真は左に目一杯
　ステアリングを切った状態です。

　　エンジンフードは微妙なクリアランスで車体に干渉せずに
　開閉します。フードを開けるとスーパーチャージャー付きの８
　気筒３．３リッターのエンジンが再現されています。

　　Ｆｒａｎｋｌｉｎ　Ｍｉｎｔ　（米）
　　１／２４　メタルダイキャスト

　　ブルーの濃淡ツートンに塗り分けられた美しいフィクスト
　ヘッドクーペです。
　　左の写真はドアを開けた状態ですが、ドアの開閉機構は
　所謂ミニカー方式で実車とは異なります。それでも薄いドア
　の開閉はスムーズで内側も再現されているのが流石です。

　　左写真のエンジンカウルの熱抜きのメッシュはこのミニカー
　の見せ所のひとつです。また、左上の写真のラジエターの出
　来は最高ですね。
　　文句の付け所はありませんがひとつだけ言わせてもらえれば
　ワイヤーホイールはプラスチックスではなくエッチングにして欲し
　かったです。
　　　　

　ＰＹRO (米）　C322-60
１／３２　プラスチックス（キット）

　　米国のプラモデルメーカー”パイロ”の製品です。

　　未組立てなので何とも言えませんがモールドを見る限り
　実車のアタラントとはシルエットが大分異なるようです。
特にキャビンの部分が小さすぎて異様です。

　　実は米国はプラモ王国で自動車の世界では１／２４の
　他１／３２でも素晴らしいキットが多数リリースされました。
　　その後、時代は流れ日本やイタリタ製の精密プラモが幅
　をきかせる時代を経て今では中国からもよいモデルがリリー
　スされています。

　　子供の頃にとても高価で買えなかったＩＭＣやＭＰＣの
　フルデティールのカーモデルは今ではプレミアが付いて高く
　なり特に未開封のデッドストックは高価で大人になった今
　でも易々買えません。一時期、安価であった時代もあっ
　たのかも知れませんがその頃は仕事と子育てでプラモどこ
　ろではなく、余裕が出た今ではプレミア品になってしまって
　また買えないと言うことですかね。
　　　　

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